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税務行政の民主的改善を求め、申し入れ・交渉  宮崎税務署

宮崎民商では、収支内訳書の未提出者に対し送付された「提出依頼文書」の返還行動を 8 月 31 日に行い、「税務行政の民主的改善を求める申し入れ書」を税務署に提出しました。

10 月 20 日に収支内訳書の提出依頼についてなど5つの要請項目に対する回答を含めた税務署交渉を行い、池田会長ほか役員・事務局員など 10 名が参加しました。交渉は、はじめに総務課長の回答、その後交渉団からの質問というかたちで行いました。 

1.収支内訳書については、「提出義務はある。しかし罰則は無い。未提出をもって不利益は与えない。あくまで法令に基づいて提出を依頼している」と回答。交渉団は、「文書は未提出者全員に送っていない。依頼文書を送る人・送らない人の判断基準はあるのか?」と迫ると、「提出義務のない方には送っていないと思います」と回答しました。 

2-3.来署依頼については、「文書の責任者は税務署長名で、税務調査なのか行政指導なのかはしっかり明示するようにしている。」「事前通知は電話で十分に伝えるようにしている」と回答。交渉団は、「納税者に伝わりやすい手続きにおいて、一方は文書で事前通知は電話でというのは矛盾している。来署依頼も事前通知も文書で送り、そのあと電話をする方が親切丁寧な対応ではないのか」と事前通知を文書で行うよう要望しました。 

4.反面調査については「基本的に納税者に接見する前に反面調査はしていません」と回答するも「例外はあります」と回答しました。 5.「納税緩和制度のパンフなど、来署した方の目に付くように配置しています。納税相談にも真摯に対応しています」と回答。交渉団は、確定申告書に納税緩和制度の資料を入れるよう要望しました。 

 今回の交渉での回答で交渉団は、次の項目について後日回答を求めています。①収支内訳書の提出義務の無い人とはどういう人なのか、②反面調査を行う「例外」とは、③申告書に納税緩和制度の資料を入れること。できないなら理由を。 

交渉を終えて、法令遵守を常套句に税務署側の都合のいい解釈で税務行政が行われることへの問題意識を高めることや、改めて納税者の権利を深めあう活動が重要であることを感じました。 


【要請事項】
1.収支内訳書の提出依頼について
収支内訳書の提出強要や、そのように解される文言・言動は慎むこと。また、提出していないことを理由に、納税者が不利益な扱いを受けることのないようにすること。 

2.来署依頼について 
「来署するまでは行政指導で来署すれば税務調査に切り替える」とした税務調査手法において、「来署を依頼する場合、税務調査か行政指導なのかは事前に納税者に明示する」とした佐川宣寿国税庁次長の衆院財務金融委員会(2014 年 11 月 12日)での答弁を順守すること。そして、「お尋ね」「呼び出し」文書で納税者を来署させ、事前通知もないままに税務調査に移行して修正申告を迫ることはやめること。 

3.税務調査および手続きについて 
 税務調査は、申告納税制度と納税者の実情を踏まえ、納税者の協力・承諾のもとに行うよう徹底すること。 
国税通則法 74 条の9は「税務署長等は...あらかじめ...通知する」と納税義務者などに対する事前通知について定めた。法定化された手続きを順守するためにも、事前通知は、税務署長名の文書で行うこと。 
「調査通知」は加算税の賦課決定要件であることを踏まえ、実地の調査を行う場合は、改めて通知項目(11 項目)を事前に通知したうえで税務調査に着手すること。 
無予告調査においては、任意調査であることを納税者に伝え、無予告調査の理由を納税者から求められた場合は、具体的・合法的理由を開示すること。 

4.反面調査について 
反面調査は「客観的に見てやむを得ないと認められる場合に限って」とする税務運  営方針を順守するよう署員に徹底し、本人の承諾のないまま反面調査をするのはやめること。 

5.納税緩和措置の運用について 
 所得税や消費税など、一括納付が困難な納税者の相談に対し、画一的な滞納整理を行わず積極的に納税緩和措置を適用すること。 
 納税緩和制度の案内文書や資料は、納税者が来署した際に目に付くように配慮すること。